日本 vs フィリピン、 コンドミニアム管理体制の比較
- Phi Homes
- 5月8日
- 読了時間: 4分
日本で分譲マンションを所有した経験がある方にとって、フィリピンのコンドミニアム管理体制は、驚くほど異なる点が多くあります。今回は、不動産オーナー様が押さえておくべき3つの重要な視点から、日本とフィリピンの管理事情をわかりやすく解説します。
① 清掃・警備体制の大きな違い
🔹フィリピンでは「ホテル並み」の常駐体制
フィリピンのコンドミニアムでは、清掃スタッフや警備員が複数名、常駐していることが一般的です。ホテルのような手厚い人員体制が整っており、エントランス、ロビー、廊下、エレベーターなど共用部は常に清潔で安心感があります。
一方、日本の分譲マンションでは、管理人が日中のみ勤務、清掃は週に数回、警備は機械対応というところも多く、「最低限の維持管理」が基本です。
この手厚さは、フィリピンの「管理費(Association Dues)」に含まれるコストとしてオーナーが負担しています。
② 管理費に含まれる費用の違い + アメニティの充実度
フィリピンの管理費には、清掃・警備・設備維持などに加え、豊富なアメニティ施設の維持費が含まれています。多くの物件では以下のようなアメニティが標準です:
プール
フィットネスジム
ラウンジスペース
キッズルーム
パーティールーム
BBQエリア
これらの施設の清掃・空調・備品・スタッフなどもオーナー全員で均等に負担する仕組みです。アメニティ利用料があるコンドミニアムもありますが、維持費は基本的に管理費に反映されています。
フィリピンでは管理会社が現場常駐型の事務局(PMO)として人員を配置するため、人件費のウエイトが高いのが特徴です。
こちらは、とあるDMCI Homesのコンドミニアムの2025年3月の収支レポートです。
詳細が気になる方、ぜひご覧ください。
📊 2025年3月 不動産組合 収支報告
✅ 支出の内訳(総費用:₱6,839,828)
警備(11.4%)+清掃(10.1%)=約21.5% と、常駐体制を維持するための人件費が高いことが読み取れます。これは安心・快適な住環境への投資とも言えます。
✅ 収入の内訳(総収入:₱6,249,477)
③ フィリピンに修繕積立金がない!?将来の修繕はどうなるの?
日本の分譲マンションでは「修繕積立金」が法律で定められており、毎月少しずつ徴収して10年、20年後の大規模修繕に備えています。
しかし、フィリピンのコンドミニアムでは原則として修繕積立金の徴収制度は存在しません。
⚠️ 修繕が必要になった時は?
フィリピンの大手ディベロッパーのコンドミニアムでは "Sinking Fund"と呼ばれる積立制度があり、組合管理費用の一部が積み立てられていることが多いです。公開はされていませんが、長期的な修繕計画があるそうです。
必要に応じて「Special Assessment Fee(特別徴収)」をオーナーから徴収
*基金が足りない場合、全オーナーに突発的な請求が発生することも(例:配管・外壁・屋上修繕など)
まとめ:日本とフィリピンのマンション管理の違い
🔹常駐スタッフの差が大きいフィリピンのコンドミニアムでは、清掃員・警備員が24時間常駐し、ホテル並みの管理体制。日本は必要最低限が一般的。
🔹管理費に含まれる内容が広いフィリピンでは、プールやジムなど豪華アメニティの維持費、PMOスタッフの人件費もAssociation Duesに含まれている。
🔹修繕積立金の考え方が異なる日本は「修繕積立金」を毎月徴収。管理費の一部がSinking Fundにとして積み立てられている場合が多いが、不足時には追加徴収(Special Assessment)のリスクあり。
👉 フィリピンでの不動産所有は、日本と異なるルールや文化を理解したうえで、「共用部の豊かさ=維持コストの重さ」と捉えることがポイントです!



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